継続して１日１名の新規客を獲得する方法

日々お客様のために変わらないサービスを提供し続けている経営者にとって残念な数値ですが、一般的な顧客の離脱率は２０％だと言われています。

毎年毎年、顧客リストの２０％は来店してくれなくなっている現状をすでに把握されていることでしょう。劣悪なサービスでお客様が離れてしまうのであれば改善の余地もあるのですが、あなたのお店では最高のサービスを提供しているので、これ以上の改善余地はほとんどありません。

では顧客単価を上げますか？これでは単純に毎年２０％の値上げをすることになり現実的ではありませんし、むしろ顧客離れを加速させてしまう最悪の結果となりかねません。

そのために必要なことはやはり「新規客の獲得」です。寝ても覚めても新規でお客様をお店に呼び込むために創意工夫をしなければなりません。

単純接触効果という言葉をご存じでしょうか？これは、人は何度も会っているうちに相手に対する好感度が上がるという心理的な効果のことで、何かをするのではなく単純に相手と接触しているだけで起きる効果なのです。

まだあなたのお店を訪れたことのない未来のお客様に対して単純接触効果を利用することができます。継続的にこちらから積極的にアピールすることで、相手の中に何度も何度もあなたのお店をインプットすることができ、単純に触れる機会が増えることで好感度が上がっていくのです。

テレビＣＭもこの効果を利用しています。映像と音楽と会社のロゴで構成されたＣＭは何ひとつ視聴者に求めてはいません。高額な広告費を払ってでもテレビＣＭを流すワケ・・・、それが単純接触効果です。

それではどのような方法で未来のお客様にアピールしていけばいいのか？成功事例をご紹介しましょう。

それが「手作り新聞」です。受け取ったお客様に喜ばれる情報をいっぱい詰め込んだ１枚のラブレターを書き上げてしまえば、いくらでもコピーすることができます。

費用はコピー代と色鉛筆代くらいでしょうか？ポストから取り出して部屋に持ち帰り、郵便物の中にある手作り新聞を広げてくれた人の顔を思い浮かべながら書いてみましょう。

あなたと未来のお客様とのコミュニケーションが始まるのです。

実際に成功された美容室では１５００枚～２０００枚コピーして配布しています。原本は１枚ですから、手書き新聞が完成した後の作業といえば、コピー機に原本を乗せてフタを閉じ、数量を入力してスタートボタンをポンッと押すことと配ることくらいです。

２ヶ月に１回の発行で成果を得られています。つまり２ヶ月間で１枚の手作り新聞を作る努力ができるだけで、お客様があなたの新聞を手に持ってお店まで足を運んでくれるのです。あとはあなたがお客様の笑顔を作って差し上げるだけでリピーターへとなってくれます。

これは地域によって調節する必要がありますが、成功された美容室ではお店を中心に半径１．５キロ（徒歩２０分）を目安に円を描き、その範囲を８ブロックに分けています。そして２ヶ月に１回８ブロックのうちの１ブロックにだけ手作り新聞を配布されています。

つまり１６ヶ月で半径１．５キロ以内の皆様すべてに手作り新聞が届けられることになります。「一気に配ってしまえば？」と思われるかもしれませんが、一度に対応できないほどのお客様にお越しいただくより、この方法で継続的に配布することで、バランスよく新規客を獲得していくことができるのです。

記事もイラストもすべて手書きであることが最大のポイントです。大型デパートから連休前に送られてくる印刷されたキレイな広告チラシより、商店街の小さなセレクトショップから届く手書きの葉書の方がよっぽど心に響くというものです。

お客様はバカではありません。あなたが心を込めて書いた１文字１文字は、理屈を通り越してまだ見ぬお客様の目から心にゆっくりと伝わっていくのです。

まずメニューは外せません。やはりまだあなたのお店をご存じない方へ届けるものですので、必要最低限の情報は必要です。「何ができるのか？」「私はどんな風になれるのか？」をお伝えしましょう。

また、意外かもしれませんが、美容室とはまったく無関係なあなたの趣味について書くのもよいでしょう。手作り新聞を受け取った方はあなたのことを全く知りませんので、こういった記事を読むことによって親近感を覚えてくれるでしょう。

季節の話題もみんなが共有しているトピックですので、取り上げると共感してくれやすくなります。特に地域の話題は同じエリアに暮らしているという一体感が生まれます。

「新しくできたあそこのパン屋さんに行かれましたか？」とか「あの公園のそばで隠れた名店を見つけちゃいました」といった記事は喜ばれます。

手作り新聞を発行してこられたこの美容室では１年間で３４０名の新規客を獲得することができました。ほぼ１日に１人の新規客がご来店された計算になります。

新規客とはビジネスの種ではありません。あなたとお客様との新しいお付き合いが始まるということですから、一期一会の出会いを手作り新聞で大切に演出されてみてはいかがでしょうか(ﾟ∇^*)