職業柄、弊社の営業マンたちは毎日神奈川県下を忙しく駆け巡っています。よくタクシーの運転手はガイドブックにも載っていないような知る人ぞのみ知る隠れた名店をいくつかご存知だったりしますが、弊社の営業マンもまた広いネットワークを生かしてどこからともなく名店情報を仕入れてきます。

お食事処はあちらこちらに乱立していますが、グルメリポーターでもなければすべてのお店を食べ歩くことなどできません。しかしご訪問させていただいたお客様から「あそこのお店はおいしかったよー」なんて近隣の口コミがどんどん舞い込んでくるので、まずお店選びで迷うことはありません。

らーめん浜や

おいしいと評判が評判を呼び、隠れた名店だったはずがいつの間にか通の間では目立った存在になってしまったラーメン屋さんがあります。

古めの建物でありながら心配りを感ぜずにはいられない清潔感が漂う店内は、カウンターとテーブル2つの落ち着いた昭和の雰囲気です。

ラーメンブームが訪れてから何十年と経ちます。中には派手な看板に奇抜な店構えが暑苦しく、店内ではスタッフの掛け声がやたらうるさくて落ち着いて味わえないお店もあります。

こちらのお店は、カウンターに座ってどことなしに店内に目をやりほっとひと息つく頃には、まるで実家に帰ったときような安心感とウッディな雰囲気にすっかり懐かしいあの頃へタイムスリップさせてくれます。

世の中では次から次へとテクノロジーの発達によってめまぐるしい変化が起こっています。どんどん流通速度はあがり、サービスは向上し、飽食の時代が今もなお続いていますが、変わらないものへの価値に感謝すら覚えるときがあります。

ここにはその価値があります。

店舗は目の前にあるJR相模線の木造駅舎を見守るようにたたずみ、かつて駅舎特集にもこのお店が取り上げられたほどです。

ご主人はもともと建設会社のサラリーマンでしたが、一念発起して脱サラし、ラーメンに人生を捧げる覚悟を決めて数々の苦労を乗り越えながら誰もがうなるラーメンを完成させました。

強面で口数の少ないご主人には(いい意味で)近寄りがたい職人気質を感じます。その手際の良さはついつい見とれてしまうほどで、匠の技により食材がもっとも輝いているアツアツの状態で目の前へ湯気を立ち上げながら運ばれてきます。

しかしこのご主人、実は書道の有段者だという一面を持ち、さらにはゴルフの腕前も相当なものだとか・・・多くを語らない職人の背中に人間味を感じます。

そして何と言ってもオススメしたいメニューがコレ!

昔ながらの中華麺を思い出す醤油ベースで油少なめのさっぱりスープと、のどごしがバツグンに気持ちいいストレートの細麺、そして食べごたえ十分の1センチ近くあろうかという味わい深い厚切りチャーシュー4枚が所狭しと折り重なっている「チャーシューメン」です。

チャーシューメン

懐かしい雰囲気のある店内でいただく職人の作る絶品チャーシューメン・・・今も週に3回4回と通っていますが、初めてお召し上がりになる際にはこの味にハマることを覚悟しておいてくださいね。やたらとインパクトばかりを求めているその辺のラーメンとはまったく違う料理ですから、一口一口と食べ進めていくうちに不思議とほっこり幸せな気持ちになっていることに気付かれるでしょう。

もしかすると、となりで麺をすすっているのは私かもしれません(^_^;)

「らーめん浜や」
JR相模線下溝駅前
神奈川県相模原市南区下溝1363-6
電話番号 042-777-1008